ふだん何気なく聴いているラジオですが、番組を作っているスタジオでは、ちょっと聴いただけでは解らない、なんだか怪しげな専門用語が飛び交っています。まじめな技術用語はもちろんのこと、パーソナリティーに茶々を入れるためだけに開発された(?)用語もあったりして、知っていると知らないとでは、ラジオの楽しみ方が100倍違ってくるのです。イケてる放送用語辞典では、そんな“怪しい専門用語”にスポットを当てて、ビシバシ紹介していきます。

アウトロ 

本来は、歌が終わってから、曲が終了するまでのあいだの部分のこと。最近は、単に曲の終わりの部分を指すことも多い。パーソナリティーが「アウトロのる。」と言えば、「曲の終わりの部分でしゃべる。」ことを意味する。

対義語)イントロ

赤入れ  原稿をチェックして、修正・加筆すること。赤鉛筆を使うことが多いので、こう呼ばれるようになったといわれている。記者が書いた原稿をデスクが赤入れすることもあるが、最終的には、読み手自身が行うことが多い。
あがり時間  番組において、ナレーションなどをいつまでに終わらせるべきか、ディレクターから指示される時刻。「58分20秒あがりね。」などのように使い、通常は+0秒-10秒程度に収めるのが美しい。が、90秒以上も前にあがってしまう、神をも恐れぬ強者が実在する。この場合、即!正座となるのは、言うまでもない。
あがる  a,しゃべり終えること。または、仕事が終わって帰ること。
b,緊張すること。そのひと本来の人間性をかいま見ることが出来る、貴重なチャンス。
飽き 

番組を制作する者がもっとも恐れるもの。リスナーの飽きは、番組そのものに直接影響しにくいが、スタッフの、特にパーソナリティーの飽きは、番組を失速させる大きな要因となる。末期が近い番組では、やたらと新しいことに手を出すようになり、打開策として、多くの番組でパーソナリティーの交代が行われる。

類義語)マンネリ

アシスタント・ディレクター  ADの項を参照のこと。
あれれ

きちんと指示してあるにもかかわらず、パーソナリティーが大ボケをかまして指示と違うことをしてしまった時、それに苦笑するディレクターの心に響く天の声。または、時間を読み切れず、曲があと20秒も残っているのにトークを放棄して締めてしまうパーソナリティーに対し、スタッフ全員が思うこと。
同義語に、“あちゃー”、“おいおい”、“マジかよ”などがある。


→ADが同じことをやった場合、「あれれ」では済まないことが多い。

アンタイム

生放送において、番組進行に応じてCMの放送時刻を前後させられる状態のこと。

対義語)タイム、フィックス(FIX)

アンチ

誰からも好かれるキャラクターを目指すとき、発してはならない言葉の形態。
「○○が好き!」というのは大丈夫だが、「アンチ○○」と言うのは避けた方が好感度が上がるとされる。

 

あ~ん・ぽ~ん・た~ん! 同じ人間が3連発でミスをやったときに、まわりのスタッフの心に響く、謎の呪文。
しかし、これをやったら、ただのバカである。

イカ臭い 男性スタッフが集まって編集などの作業をした後のスタジオの空気を表現する形容詞。狭くて換気が悪いスタジオは、これが長年にわたって蓄積するため、まさに地獄である。
イキ

CMなどのナレーション収録時に、いま録ったものを消してしまわないでとっておくこと。最終的にこれ以上良いものが録れないとき、いま録ったものを採用するためである。


対義語)ボツ

イコライザー(EQ) 音質を調整する装置。通常、低音・中音・高音の3つを増減させることにより、音を堅くしたり、柔らかくしたり、また、雑音を取り除いたりといった働きをする。多くの場合、CDには使わず、パーソナリティーの声に使うことが多い。
位相 ステレオ音源において、左右の信号が電気的にどの程度ずれているかを角度で表したもの。数度のずれでもステレオ定位感に影響を与える。
いちけーしー(1KC) 1KHzの正弦波。音響機器の調整をするうえで、もっとも基本となる音。日曜深夜など、放送局が機器の調整を行う時間帯に良く聴かれる「ピー音」がそれである。
一発録り ミスをしても録り直しをしないという約束で、一気に収録してしまう録音の方法。収録が短時間で完了し、録音なのにライブ感が得られるというメリットがある。
入中(いりちゅう)

番組の放送中に差し込まれる中継。レポートなど、中継放送以外のものは、すべてこれにあてはまる。また、電話によって行われるものを、とくに“電話入中”という。


例)サンデー・リクエストラインにおける、長内孝夫のレポート。

イン 番組中に、素材を差し込むこと。インサート。
イントロ

曲の出だしから歌い出しまでの間のこと。DJは、イントロの時間を正確に把握し、歌い出しまでのあいだにピタリとハマるよう、曲紹介を完了させる。しゃべりながらも、後ろに流れている曲を正確に聴いていなくてはならず、高度なテクニックを必要とする。


対義語)アウトロ

飢え 昼飯を食べているはずなのに、夕方になると昼出のスタッフが陥る状況。徐々に機嫌が悪くなり、大声で「おなか空いた!」を連発するようになり、やがて、仕事を放棄する。夕方出のスタッフたちは、そのお子ちゃまぶりに、ただただ、絶句するばかりである。
浮く 番組において、あるコーナーや効果音などがほかと比較して著しくバランスを乱す状態。「ジングル入れないと、交通のBGが浮く」などのように使う。また、ギャグを言った直後のどすこいてじまのさま。
ウケる 番組が成功しているさま。ねらっても取れない、番組制作者の勲章。番組中のコーナーでは、他のコーナーと比較したお便りの数で競い、他の番組とは、レーティングにおける聴取率の数字で競う。ウケたかどうか、すべて数字で判断されるのが放送のシビアなところである。

エアモニ オンエア・モニターの略。現在放送中の電波を受信して、スピーカーやヘッドホンから流すこと。スタジオでミキシングした音が、実際、どのように聴こえているかを知ることが出来る。中継に出るときは市販の小型ラジオを使い、エアモニと呼ぶことが多い。
AF オーディオ・ファイルの略。音声をデジタル化してファイリングし、端末の操作で自由に取り出せる。テーマ曲やBGM、コーナーの鳴き、効果音、楽曲にいたるまで、ボタン一つで送出可能なため、近年、多く使われるようになった。機能的にはサンプラーと類似しているが、オーディオ・ファイルの方が検索に重点を置いた作りになっている。一般的に、CMもオーディオ・ファイルから直接送出していることが多い。
営業 放送局を大きく分けると、番組を“作るチーム”と“売るチーム”とに分けることが出来る。このとき、番組を“売るチーム”が営業である。スポンサーと制作のあいだに入り、「いかにして、売れる番組・聴かれる番組を作るか」を常に模索する。ときに、スポンサーと制作との板挟みにあうこともあり、つらい立場に置かれることも。リスナーの動向や時代の流れを、ある意味“制作”以上に把握していなくてはならないため、苦労も多い。
AD アシスタント・ディレクター。CDの準備をしたり、中継の準備をしたり、情報を整理したりと、スタジオのまわりを縦横無尽にかけめぐる、いわば何でも屋さん。番組が円滑に進行するよう常に気を配り、準備を怠らない。優秀なADがいれば、番組は何とか動いてしまうことが多い。テレビの業界ではゴミ同然に扱われているという話も聞くが、ラジオの業界は少数精鋭であるため、次期ディレクターを目指すようなやる気のある人材でなくては足手まといとなり、務まらない。
エコー 音に残響を与える装置で、そのかかり方によってリバーブとディレイに大別される。一般的なカラオケのエコーに使われているのがリバーブ、山びこのようなものがディレイである。
MD ミニディスク。フロッピーディスクを小さくしたような光磁気ディスクに、最大74分のステレオ音声を収録できる。頭出しが早く、再生によるディスクの劣化もほとんどないが、ATRACという特殊な技術を使用して、音のデーターを本来の1/5圧縮しているため、CDと比べると、多少、音が荒いのは否めない。とはいえ、ディスク上で音素材を自在に編集できるメリットは非常に大きく、一時、放送業界のスタンダードになりかけたが、非圧縮で音声を再生可能なMOの台頭やPC上で素材を編集可能な環境の整備とともに、現場から消えていった。

オープンリール 業務用のテープレコーダー。使用するテープの幅が6ミリなので、“6ミリ”とも呼ばれる。DAT・MDなどデジタル機器全盛の時代にあって、その信頼性の高さから、放送局などでは、今なお現役として活躍している。
おじさん どすこいてじまがスタジオ見学の小学生に刺されたトドメ。その後、この小学生を見かけたものは居ない・・・(ウソ)。
おす

コーナーなどにおいて、あらかじめ予定されていた時間をオーバーしたために、その後の進行が圧迫されること。「3分おしなので、曲カット。」のように使う。

対義語)巻く

オンエアー(ON AIR)

放送。On The Airの略。


対義語)スタンバイ(STAND-BY)

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