ふだん何気なく聴いているラジオですが、番組を作っているスタジオでは、ちょっと聴いただけでは解らない、なんだか怪しげな専門用語が飛び交っています。まじめな技術用語はもちろんのこと、パーソナリティーに茶々を入れるためだけに開発された(?)用語もあったりして、知っていると知らないとでは、ラジオの楽しみ方が100倍違ってくるのです。イケてる放送用語辞典では、そんな“怪しい専門用語”にスポットを当てて、ビシバシ紹介していきます。

ターンテーブル
 レコードプレーヤーのこと。CDの普及により最近では姿を消しつつあるが、旧盤など、CD化されていない素材を再生するために、なくてはならないものである。
タイミング a,間合いのこと。一般的に使われている“タイミング”と同じ。
b,素材の時間長を確認し、時間計算をすること。
タイム a,時間のこと。多くの場合、素材の時間長を指す。
b,番組提供の形態のひとつで、番組を丸ごと買い取って提供するもの。質の高い番組を提供すれば、スポンサーのイメージを大幅にアップさせることが出来る。スポンサーは、自らの意向を最大限反映させた番組を放送することができるが、“電波料+番組制作費”を負担しなくてはならない。(しかし、一般的に、スポンサーが露骨に見える番組は、リスナーに歓迎されない傾向があるので、何事も“ほどほどに”が肝心である。)
対義語)スポット
タイムテーブル a,番組表
b,番組の準備~進行などについて、時間を追って書かれた表。特番など、スタッフが多くて複雑な準備が必要な番組で用いられる。
ミキサー卓のこと。パーソナリティーの声や音楽、効果音などを混ぜ合わせる装置。フェーダーと呼ばれるつまみを動かして音のバランスをとる。音量を調整したり、音質を整えたりするほかに、エコーをかけるのも卓の操作で行う。基本的に、放送はすべて卓を通って正しく調整されたのち、送信所へと送られていく。

チェック 放送の基本である。準備段階における番組内容や原稿、かけるCDなどのチェックはもちろんのこと、マイクのチェック、CDプレーヤーのチェック、オープンデッキのチェック、ターンテーブルのチェック、MDのチェック、エコー装置のチェックなど、数え上げればきりがない。放送中であっても、CMが正しく出ているか、音素材の頭が正しく出ているか、進行にズレはないか…などなど、とにかく気を抜ける瞬間はない。チェックを怠ると、即・ミスにつながるからである。
遅刻 Blueberry Projectのスタッフに多く見られる出動形態。各番組によって集合時刻は様々であるが、いずれも番組スタートの2時間ほど前には集合することになっている。しかし、集合時刻になってもディレクターが来なかったり、パーソナリティーが来なかったりと、常識では考えられないことが頻発する。言い訳ランキングの第一位は、言わずと知れた“道路の渋滞”であるが、スタジオ入りがギリギリとなることもあるので、早めに来ているスタッフはたまったものではない。
→ちなみに、今までの記録は、13時スタートのカウントダウンさがみで“どすこいてじま”が叩き出した12時46分入り(14分前)である。トホホ。
チャンネル a,ある音像を構成する、音要素の数。モノラルは1チャンネル、ステレオは2チャンネルである。
b,ミキサー卓で同時に混ぜることができる音要素の数。たとえば、16チャンネルのミキサー卓ならば、16種類の音要素を同時に混ぜ合わせる能力を持っていることになる。
調整卓 卓とおなじ。ミキサー卓のこと。
沈黙 a,制作現場の人間がもっとも恐れる、3大事故のひとつ。無音とも言う。無音事故の定義は局によってさまざまであるが、まったく音の出ない状況で10~15秒経過した状態を指す。この場合、ディレクターは始末書を書かなくてはならない。
b,パーソナリティーが言葉に詰まり、しゃべれなくなってしまうこと。新人に多い。慣れたディレクターであれば、曲などを出してつないでいる間にパーソナリティーの緊張をほぐし、何事もなかったように番組を継続できる。しかし、不慣れなディレクターの場合には、適切な対応や指示ができず、逆にパーソナリティーの不安をあおって泥沼に突き落としてしまうしまう場合がある。
→沈黙ひとつをとっても、人間性がにじみ出るのが放送の面白いところである。

ツェーマン(C万)
おもにギャラの額を指すことばで、手取り1万円のこと。通常、1割が税金として持って行かれてしまうので、報酬として支払われる額は¥11,111-である。“イチ並び”とも言う。音楽用語でC(ツェー)は1、D(デー)は2、E(イー)は3、F(エフ)は4、G(ゲー)は5を、それぞれあらわすことから、おもに音楽関係者経由で放送業界に普及・定着した。E万といえば3万円、G万といえば5万円である。ちなみに、強えぇマン・・・のことではない。念のため。
つかみ トークの最初、話し始めの部分。聴き手を話の本編へと導くために必要な要素で、“前フリ”ともいう。夏の話をするときに「このところ、市内のいたるところで蝉の声が聴かれるように…」などということがあるが、これこそ、まさに“つかみ”である。
つなぎ 曲から曲、曲からトークBGMへ移るときなどのタイミング。つなぎが下手だと番組のテンポに途切れが生じ、聴いていて気持ち良い流れでなくなるため、自然とリスナーが減っていってしまう。しかし、つなぎが上手でもリスナーがその点に直接気付いてくれるわけではないので、ミキサーのレベルが高度になればなるほど、評価されにくくなる傾向がある。
→“気持ち良いつなぎ”はミキサーの最低条件。下手なつなぎなら誰でも出来るんです。
つまむ 音素材や番組テープを編集し、部分的にカットすること。また、使える音素材を部分的に切り取って集め、新たな音素材を作り出すこと。6ミリテープをはさみで切って編集するさまが、あたかも“つまみ取る”ように見えるため、こう呼ばれている。カットするものは、長すぎるインタビュー、出し間違えた曲、ノイズ、余分な“間”、いわゆる放送禁止用語など、無い方が良いものはすべてである。

テイク
ナレーションや音素材を収録するときの、“~回目”のこと。「テイク3」といえば、3回目を指す。ちなみに、何度か録ってみて採用となるものは“OKテイク”というのだが、ダメなものは“NGテイク”とは言わず、なぜか、“ボツテイク”と言うことが多い。
提クレ 提供クレジット。番組の前後で「この番組は○○の提供で…」というアナウンスがされることがあるが、これが、提クレである。タイム提供の場合に、スポンサーを紹介する目的で放送される。
ディレクター エラい。番組の責任者であり、文字通り、番組の“方向付け”するのが仕事である。パーソナリティー、ミキサー、ライター、ADそれぞれに指示を出して番組を運営するが、いくつかの仕事を兼ねる場合もある。常に冷静で、時事刻々と変化する状況に柔軟に対応できる人間的余裕がなくては、つとまらない。
→ディレクターの言うことは、“神”の言うことです。
手切り オープンテープをはさみで切って編集すること。最近は、MOなど“デジタル機器”による編集が多く用いられるようになってきたため、ほとんど見かけなくなった。しかし、提供クレジットなど、重要な素材はオープンリールによる素材出しを行うこともある。以前は、ディレクターの三種の神器と言えば、マイはさみ、マイデルマ、マイスプライシングテープだったが、今では、持ち歩いている人すら見かけなくなった。手切りによる編集ができる人は、ベテランの中でも少数派なのである。
デスク a,報道における現場の責任者。直接取材はしないが、記者たちが持ち帰ったニュースを吟味し、ニュースとしての道筋をつける。ベテラン記者が管理職となって行うことが多い。
b,番組制作には直接タッチせず、制作スタッフのスケジュール管理や伝票整理などを通じてかげから番組を支える、事務担当者のこと。帯番組など、スタッフの多い番組で活躍するが、現在、Blueberry Projectには、存在していない。
てっぺん 24時のこと。時計の針がてっぺんを指すとき、という意味。「今日はてっぺんまで行くよ!」といえば、“24時を越えるよ!”という意味である。しかし、Blueberry Project のスタジオワークは、なぜかてっぺんから始まることが多い・・・なぜだ!?
てんてこ舞い 毎週土曜日の放送現場を表現する形容詞。原稿は舞うわ、CDは飛ぶは、ディレクターは祈るは、そりゃぁもう大騒ぎ。だが、スタッフは、なぜかみんな笑っている。そう、もう笑うしかないのである…アハハ。
→だいたいそりゃぁあんた、9時間に5番組も放送すりゃぁてんてこ舞いにもなるわな。アハハ。(某スタッフ談)

トークバック
ディレクターからの指示をパーソナリティーに伝える、インターホンのようなもの。通常、スタジオは“パーソナリティーが居る部分(金魚鉢)”と“ディレクターが居る部分(副調整室=サブ)”に分かれているが、このままだと、ディレクターの指示やパーソナリティーの質問が互いに伝わらないので、意志疎通の目的で設置されている。パーソナリティーが間違ったことを言おうもんならば、すぐさま、ディレクターの突っ込みが入る仕組みになっているのである。
→ラジオを聴いていると、快調なパーソナリティーのしゃべりに一瞬“間”が空いた後で言い直しをしていることがあるが、これは、トークバックから突っ込みが入ったためと思って、ほぼ間違いない。
トークチャンス パーソナリティーがしゃべっても良い部分。一般的には、フリートークの部分を指すことが多いが、臨時ニュースなどの場合は、曲がかかっていても、それを下げてトークチャンスを作ることがある。ディレクターが「次のトークチャンスでフォローして」と言えば、“次のフリートークでフォローする”ことを意味する。
どすこいてじま ちょ~、えろいえらい。Blueberry Projectの代表であり、プロデューサーであり、DJである。仕事はテキパキとこなし、他人にも自分にも非常に厳しいが、仕事が終わると女子高生にちょっかいを出しては痛い目に遭うという、普段のきまじめな様子からは想像できないフランクな面も見せる。番組制作以外にも、音響技術職人・文筆家・写真家といった多数の肩書きを持ち、広範囲に活動している。
怒濤 土曜日の午後、エフエムさがみで12:00~20:59をまとめて担当しているBlueberry Projectの、放送当日の様子。ほとんどのスタッフが複数の番組を掛け持ちしているが、その様子たるや、まさに“民族大移動”。生放送中のスタジオと放送準備中のスタジオのあいだを、束になって行ったり来たりしている。
トラック 録音機材に独立して同時録音できる音の数。または、音が録音されている部分そのものを指す。モノラルのテープレコーダーは1トラック、ステレオは2トラックである。仮に8トラックあれば、ステレオの音素材4本を、独立して同時録音することが可能ということである。

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