ふだん何気なく聴いているラジオですが、番組を作っているスタジオでは、ちょっと聴いただけでは解らない、なんだか怪しげな専門用語が飛び交っています。まじめな技術用語はもちろんのこと、パーソナリティーに茶々を入れるためだけに開発された(?)用語もあったりして、知っていると知らないとでは、ラジオの楽しみ方が100倍違ってくるのです。イケてる放送用語辞典では、そんな“怪しい専門用語”にスポットを当てて、ビシバシ紹介していきます。

怪現象
 CDやMDが突然止まってしまったり、通常考えられないことが起こること。ほとんどが、人的ミスをごまかすために利用される。「CDが出なかったんだよォ~。」は、「うっかりして、CDの準備してなかったよォ~。」に置き換え可能。ミスをした本人はごまかせたと思っているようであるが、周囲のスタッフはみんな気が付いている。(実話)
カウントダウンさがみ 1997年~1998年にかけて、エフエムさがみで放送されていた、カウントダウン番組。新星堂・すみや・タハラ・タワーレコーズの協力のもと、相模原独自のチャートを発信していた。
かえし a,中継などのとき、スタジオから中継先に送られる音のこと。
b,パーソナリティーのヘッドホンに送られる音のこと。
確認 プロとしてゆるめてはいけない最低ラインを維持するために必須の作業。スタッフの役割分担の確認に始まって、進行の確認、CD準備の確認、音素材の確認、原稿の確認など、放送に際して確認しなくてはいけないことがらは数多い。また、放送中も、進行状況の確認、CDセットの確認、CM送出の確認など、確認に次ぐ確認の連続となる。この確認作業こそが、プロとアマチュアとを分ける最大の違いともいえるのである。
かぶる a,複数のパーソナリティーで放送しているとき、ふたりの声が重なってぶつかること。また、互いに“待ち”の体制に入り、妙な“ま”が空いてしまうこと。互いの呼吸が読めるぐらいの信頼関係が築ければ、かぶったときにどちらが引くべきか意識しなくとも解るようになり、自然なトークが出来るようになる。
b,イントロにのってしゃべっているとき、イントロの時間をオーバーして歌と重なってしまうこと。気づいてしゃべるのをやめてしまうとさらに状況が悪化するので、この場合、押し切ってしゃべり続けてしまう方が良い結果を生む場合が多い。まれにであるが、意図的にそれをやる場合もある。
c,複数の作家やスタッフが持ち寄った企画が重なること。ちなみに、ディレクターとADの企画が重なった時、本来は企画者名を併記するべきであるが、ディレクターの手柄になることが多い。
完パケ 番組やCMなどが、そのまま放送可能な編集済みの状態になっていること。完全パッケージの略。

菊池志穂
声優。数少ない、どすこいてじまの友人。鎌倉エフエム’96夏の特別番組“さるカニ合戦”ではどすこいてじまも番組に参加させてもらったことがある。
逆相 a,ステレオの音源において、左右の位相が逆になっていること。音の定位が不安定で、左右に散ったような音になる。逆相の音をモノラルにすると、センターが引っ込んだ音になるため、モノラルのラジオでは、ヴォーカルやナレーションが聞こえづらくなるなど、影響が大きい。一般的なスタジオには位相計やベクトルスコープがあり、目視で正相・逆相を確認できる。配線ミスが原因となることが多いが、誤って逆相のままプレスされたCDやレコードも存在する。
b,三相交流電源において、「RST(N)」のうち、RとSが入れ替わってしまった状態。
キュー(CUE) 番組を進行させるためのきっかけ。また、その合図。ディレクターが“しゃべり始めのタイミング”をパーソナリティーに合図することが多いが、ミキサーに曲出しのタイミングを合図したり、逆に、パーソナリティーが“しゃべり終わりのタイミング”をディレクターに合図するのもキューである。
→番組のオンエア開始時などは、時刻そのものがキューになることもある。
キューシート 番組進行表。番組の進行が時刻を追って書かれており、コーナーの内容・ゲスト・曲目・注意事項など、その日の放送に必要なことがすべて詰まっている。番組制作のチームごとで書き方にクセがあるので、キューシートだけ手に入れても同じ番組を作ることは不可能である。
金欠病 ブルーベリープロジェクトのスタッフならば誰もがかかる、謎の病気。給料日になると自然に治癒し、次の給料日にかけて再発する。今のところ、“スポンサー”以外の治療薬は開発されていないが、一時的に症状を抑える薬として、“おごり”や“タダ飯”がある。
緊張 放送に携わるものが常に持っていなくてはならない気持ち。生放送前は、たとえプロであっても、間違いなく緊張する。しかし、ひとたび番組がスタートしてしまえば、トークや進行そのものに意識が集中するため、緊張している余裕など無くなるのがふつうである。いま自分がおかれている状況だけを考えると確かに緊張するが、次に何をしなくてはいけないかを真剣に考えたときには意識が自分から離れるため、緊張していながらそれに振り回されることはなくなるのである。
→生放送前の緊張感は、それはそれで気持ちが良いものである。

くちぐせ
多くのパーソナリティーが乗り越えなくてはいけないハードル。生まれてから20年以上にもわたって使い続けてきた言葉を直すのは非常に難しく、意識し続けないと、ついつい出てしまうことがある。
くちぐるま どすこいてじまが女性を口説くときに使うもの。これに騙される女性は数多いらしく、近く、被害者の会結成の噂もある。(ウソ)
Groove Night 1997年~2003年まで、エフエムさがみで放送していた、洋楽専門の音楽番組。レゲエ・ヒッポホップ・ダンスなどの要素を取り入れ、パーソナリティーが留守番電話を通じてリスナーと会話するというスタイルは、当時の日本にはないアメリカンスタイルで、斬新だった。パーソナリティーは服部敦士。

ケアレスミス
注意を怠ったために生じる、小さなミス。曲のかけ間違いや音素材の出し間違いなど、多くの場合は「うっかり・・・」ですむが、タイミングによっては番組そのものをぶち壊しにしてしまうこともあるので、笑ってはいられない。音素材は出す直前に必ずチェックをするが、それを怠ったときに限って事故は起こるのだ。「怖いのは、聴いた“つもり”と聴いた“はず”。」とは良く言ったものである。
けつかっちん 後の予定が詰まっていて、身動きが取れないこと。「けつかっちんだから、悪いけど5時あがりね。」「このあと、けつガチガチなんだよね。」のように使う。(注…お尻が堅いことではない。)
検聴 音素材を聴いて確かめること。選曲作業そのものを指す場合もある。

コーヒー
どすこいてじまの快楽液。コーヒーが切れると本人もキレるので、周囲のものは気が気ではない。インスタントでも“まにあわせ”にはなるが、レギュラーでないと十分な効果が期待できない。どすこいてじまは、市販のコーヒーメーカーのポット2杯分を一日に飲み干すという。が、胃は丈夫なままである。
小細工 十分に練ることをしないで、思いつきでコーナーを作ってしまうこと。どすこいてじまの得意技ではあるが、プロデューサーとして、他のスタッフには禁止している。企画はいちど企画書に起こし、1週間程度たって読み返してみると、その真偽がわかる。

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